1冊目が藤原 正彦さんが書いた「国家と教養」。
もう1冊が、山口周さんが書いた「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」
そして、もう一冊が夏目漱石の「坊ちゃん」(笑)。
全然、意図して買わなかったけど、二つとも本質は同じことを言っていた。
まず、国家と教養。
ほんと、良い本でした!心のそこから読んで良かった〜!と思える一冊。
何気なく使っていた「教養」というものが、どういうものかを、世界と日本の歴史、その他様々な事象を通して教えてくれた本。
そして、教養を持つということが、なぜ生きる上で大切なのかという事を考えさせてくれる本。少しとっつきにくいかもしれませんが、みなさんも一度は読んでみたら良いと思います。
この本で、私がもっとも印象に残ったポイントが、これからの教養というものが何なのかというもの。
教養と聞くと「知識がある」みたいなイメージを持っていましたが、本当の教養は、単なる知の集合であってはいけない!生命が吹き込まれた知識でなければいけない!と。
そして、その生命が吹き込まれた知識とは、知識と情緒と形の一体となったものだと書かれています。
情緒とは、単なる喜怒哀楽ではなくて、後天的に得られるもの。いろんな人に会って、いろんな事を考えて、恋愛をしたり、喧嘩したり、色々な美しいもの、悲しいものと出会って得られるもの。
そして、形とは、日本人としての形。弱者に対する涙、卑怯を憎む心、正義感、勇気、忍耐、誠実、など。思うに、人間のあり方です。
この知識と情緒と形(美しい生き方)が一体となるものが本当の教養だと書かれていました!
まさに、その通りだなと。
知識をどんなに持っていても、考えるための能力、いわゆる感度が大切だし、そもそも個人を確立させている考え方がないと、おそらく知識を活かすことなんて出来ないと思う。
知識、情緒、形、この3つが揃ったものが本当の教養だと、私自身納得させられました!
今一度、微力でも、高い教養を身に付けていきたいし、少しでも影響の輪を広げていけるようにしていきたいと思いました!
そして二冊目、「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」
これもよかった。本当によかった。もしかしたら、さっきの国家と教養より読みやすいかも。
一環して、美意識が持つ力の強さが書いてありました。
本質的に何が書いてあったかというと「これまでの論理や分析を重視するサイエンスだけでは、これからの時代の舵取りは出来ない。」ということ。
一人一人、そして組織一つ一つの内在的に存在する(ここが大事)美意識が求められる。
ただ、論理的な思考が必要なくて、直感で良いとって言っているわけではない。
江戸時代の武芸家、松浦静山は「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議な負けなし」と言っている。
勝ちは論理で説明できない、分析で導けないものがあるけど、論理で説明出来ない負けはないという意味。
論理や分析で、まず負けないということも大事。
論理も直感も、高いレベルにすることが重要!
これまでの日本企業は「人と同じ答え」を「より早く、より安く」市場に提供することで勝ち残ってきたけど、この競争では、スピードとコストの勝負にしかならない。
そんな勝負では、単にキャッチコピー、デザインとテクノロジーの追求になると、その後に「パクリ合戦」が待っている。
単なるデザインではなく、世界観やストーリーが重要。
アップルコンピュータとかがそうだね。あと、昔のソニーも。
フクールの世界観とストーリー!そういった意味では、フェアの話し合いなんかは本当によかったと感じました。
また、不祥事を、起こして、世間に叩かれる企業がある。そのニュースをいちいち見てみると、不正の開始の動機は、「儲かる」とか「売上が下がる」という経済性にあって、その不正を、やめる動機は、「バレたから」という外部の圧力によるもの。組織の中に内在的に存在する美意識が全く機能していないということ。
結構、これは重要。
なぜなら、スピードが早いこの時代、法整備のほうが追いつかない事象もあるから。法律や、コンプライアンスではなく、内在的な美意識が大切。
ちなみに、コンプライアンスていうのは、「やっちゃダメなこと」の代表選手かもしれん。美意識、真.善.美とは少し違うね。
この本の中でも
『なぜ人間に美学とモラルが必要かといえば、一つには意外かもしれませんが、最終的に大変効率がいいからです。
(中略)
あくまで、正しいことをやっていく、考えていくことは、しばしば自己犠牲を強いられたり、禁欲的に何かを我慢したりとマイナスな面ばかりを捉えがちですが、長期的な目で見ればずっと効率が良く、最終的には自分にもプラスになります。』
と。
いや、そうなんだろうな。世の中で起きている事象を見ると、本当にそうなんだと思う。
いわゆる本物ということかな。
この本物とか真善美とか美意識を高め続けることがもっとも重要だということ。
そして、これらを鍛える方法として紹介してあったのは、
歴史を学ぶ。芸術に触れる。疑いの目を持つ(ロックンロール)、文学に触れる。詩を読む。など。
さっきの「国家と教養」で書いてある、『本当の教養』と近いなぁ〜。
リーダーが、大人の一人一人がそのような教養を高めないと、美意識は高まらない。この美意識が高まらないと、これからの時代は本当に生き残れないと感じました。
この2冊を読んで、改めて、自分自身や自社、みんながどのような部分を高めていかなければいけないのかを考えることが出来ました。
非常に参考になった。本当に良い本でした。
そして、3冊目の「坊ちゃん」!
何年ぶりかの夏目漱石!「坊ちゃん」。
坊ちゃんのニックネーム付けがやっぱり秀逸。
赤シャツ、山嵐、のだいこ、マドンナ・・・
私もニックネーム付けよう(笑)。
江戸っ子の血気盛んな物理の新任教師。
この主人公の漢気、正しい事をするところ、ずるさを憎むところ、自分自身を大切にする事、そして何よりも清に対する愛情。
小説を久しぶりに読んだけど、主人公に自分を投影する読み方が出来て、何となく嬉しかった(笑)。
しかも、主人公が学校を辞めるところで終わるところが凄いなと思う。
この後の事を私自身が想像させる技(笑)。
それにしても、やっぱり天下の夏目漱石・・・。
「人間」が描かれているねぇ~。
しょうもない人間はどこにでもおるし、無条件の愛情を持つお婆ちゃん(母性)、女性をめぐる争い(笑)、喧嘩・・・
なんだろう。昔読んだ時、こんな風に思ったかな(笑)?
昔読んだ本をまた読むのも、楽しいね。
以上、今月前半の読書感想文でした(笑)。